魔術とは? [ 魔術入門 ]

魔術の定義

魔術とは何か?姫にはまだ深く理解出来ていない部分もあるのですが、ここでは先人の魔術師達の言葉から魔術(magic)とは何かを探ってみたいと思います。

エリファス・レヴィ

"魔術とはマギから我々へと伝えられた自然の秘密の伝統的な科学である。"

エリファス・レヴィ(1810年~1875年)はアポロニウスの霊の召喚や「高等魔術の教理と祭儀」で有名な人物です。「高等魔術の教理と祭儀(教理編/祭儀編)」は姫も持ってます。

エリファス・レヴィの言葉によると魔術は「自然の秘密を扱う学問(科学)」と言う事になります。出所は昔の賢者(マギ)の時代に求められていますが、自然の秘密を扱うと言う点では自然科学と同じだと言えます。

S.L.マグレガー・メイザース

"(魔術において、言わば、)秘密の自然の力の制御の科学において...。"

一般の人達はマグレガー・メイザース(1854年~1918年)と言う名前は聞いた事がないかも知れません。魔術に携わっている人間であればどこかで必ず出会う人物なのですが...。

マグレガー・メイザースは黄金の夜明け団の創立者の1人で、儀式魔術の天才とも言われる人物です。魔術書の翻訳や編集も多く手がけていて、有名なものには「ゲーティア(ソロモンの小鍵)」、「ソロモンの大きな鍵」、「術師アブラ=メリンの聖なる魔術書」、「ヴェールを脱いだカバラ」などがあります。メイザースの名前を知らない一般の人でもどれか一冊ぐらいは名前を聞いた事があるかも知れません。姫はここで挙げた四冊は全部読んでいるのですが...前の三冊は洋書だったため読むのに苦労したのを憶えています...(「大鍵」、「アブラ=メリン」は、その後、邦訳にも目を通しています)。

(余談。「ゲーティア」、「大鍵」、「アブラ=メリン」の三冊は魔術の準備から実践までが書かれた実践書になっていますが、特に「ゲーティア」、「アブラ=メリン」の二冊は(そのまま使うかどうかは別にして)魔術を実践する上での参考になる部分も多いので、魔術の実践を学びたいと言う人は目を通しておいた方が良いかと思います。古い魔術書ではありますが、その手順や要点としているところは同じ部分があり、今でも役に立つずです。)

マグレガー・メイザースの言葉は「術師アブラ=メリンの聖なる魔術書」の序文の中の文章からです。自然科学にもそのまま当て嵌まりそうな事です。

アレイスター・クロウリー

"魔術とは意志に従って変化を起こす科学であり業である。"

アレイスター・クロウリー(1875年~1947年)は魔術界では有名な人物です。一般の人達でも名前ぐらいは聞いた事があるかも知れません。姫は多くの魔術書を読んでいますがクロウリーの著書は特に好んで読みました。

アレイスター・クロウリーの言葉は簡潔でとても分かりやすいものになっています。エリファス・レヴィやマグレガー・メイザースの言葉には無かった「意志」が魔術の中心に置かれています。(原文は載せていませんが、ここでの魔術は「Magic」ではなく「Magick」です。)

ダイアン・フォーチュン

"魔術とは意のままに意識を変える技術である。"

ダイアン・フォーチュン(1891年~1946年)は前出の3人に比べると有名度が一番低いかも知れません。心理学を魔術に取り入れた魔術師です。それなりの功績はあるのですが...姫としては少し物足りなかったり不満に感じたりする部分があります。嫌いと言う訳ではありませんが、好きになれない部分も半分ぐらいあります。

ダイアン・フォーチュンの表した魔術の定義もアレイスター・クロウリーと同じくらい簡潔で分りやすいものになっています。ただし、自然科学にも言えるようなところがすっかりとなくなり、完全に意識だけの問題として扱われています。

W・E・バトラー

"魔術とは意のままに意識の中に変化を起こす技術である。"

W・E・バトラー(1898年~1978年)はダイアン・フォーチュンのお弟子さんです。ダイアン・フォーチュンの言葉として魔術を定義していますが、W・E・バトラーの原文ではダイアン・フォーチュンの魔術の定義には見られなかった「effecting」と「in」が入っていて、その分だけ日本語訳(ここでの訳者は全て姫ですが...)も違って来ています...。

ロジャー・ベーコン

"全ての真の哲学の目標は造物界に対する知識を通して創造主の知識に至る事である。"

これは哲学者ロジャー・ベーコン(1214年~1294年)の哲学の定義です。魔術の定義ではありませんが、魔術にも当て嵌まる事だと言えます。魔術的に言えば神との合一、低次の自己と高次の自己の結合、聖なる守護天使(ホーリー・ガーディアン・エンジェル)の知識と交渉、ユング的に言えば意識とセルフとの対話、物質の黄金生成を通じての個性化...本質はどれも同じです。

★魔術とは何か?

「魔術とは何か?」...その答えは「魔術師によって様々」と言う事になります。それぞれで言おうとしている事が違うものを(利用する力に就いてであったり、実践での作用であったり、最終目標であったり、などを)同列で扱おうとすればこのような答えに至るのは当然の事と言えるかも知れません。

そもそも魔術と言うものは人によってその目的、目標、様式などが違うものであり、統一された定義と言うのは余り意味がないものように感じられます。「魔術師によって様々」と言う答えはこの上なく曖昧な答えですが、魔術にとっては個々によって定義が違ったところで不都合はありませんし、自分に合わせた定義を持っていても構わないのではないかと思います。

姫は今のところはアレイスター・クロウリーやダイアン・フォーチュンの定義が気に入っていて、それが姫の中の魔術の定義にもなっています。しかし、いずれは姫なりの魔術の定義を持つようになるのかも知れません。

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